先日、そこそこ高単価の案件をいただきまして、受注にあたって「画像選定あり・WP入稿という条件なのですが、大丈夫ですか?」と確認をいただきました。
画像選定については、フリーになる前にやっていた仕事でも基本的に原稿作成とセットでやる案件がほとんどだったので問題ないと思いました。
会社勤めのときはWP更新はライターの仕事ではなかったので、仕事としてWPをさわるのは数年ぶりになります。でも、ここ数年は自分で運営するサイトがほぼWPなのでこれも問題ないよなーと気軽に受けたんです。
しかし受けてしばらくしてから、「あ、待てよ? WPってもしかしなくてもグーテンベルクなのでは……?」と思い至りました。そして実際、入稿先として伝えられたWPのエディタは当然のようにグーテンベルクでした。
わたしはこのブログを作ったとき、わりとまっさきにClassic Editorプラグインを入れたぐらいにはクラシックエディタ愛用者です。グーテンベルクは使ったことありませんでした。
使ってみればまあ、入稿するのに困るほど難しいことはないのですが、クラシックエディタとはやはり使い勝手が違って戸惑うこともあったので、試行錯誤してみたことなどを書き留めておきます。
なお、「グーテンベルクを使いこなす!」みたいな主旨の記事では全然ないのであしからず。
グーテンベルクはWordPressの新エディタ
グーテンベルクといえば活版印刷を発明した人ですね。
大学時代にメディア論などを勉強していたので、マーシャル・マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』という本のタイトルがすぐに思い浮かびます。
しかし今、WordPressを使う人にとってグーテンベルクといえば新エディタの名前です。WP5.0ぐらいから登場したエディタで、「ブロック」と呼ばれる要素を組み立てて構成するという特徴があります。
これ、すごく画期的なエディタなんだと思います。
たとえばひとつのページを余白も含めて自由にデザインしたいとき、ワードよりもパワポのほうが圧倒的に便利! みたいなことですよね。
いや別にパワポじゃなくても、イラレでもほかのDTPソフトでもなんてもいいんだけど、要するに各要素を独立したブロックとして扱えれば、感覚的に動かしたり置き換えたり、いろんなパターンを試してみることができて便利ということなんだろうなというのは理解できます。
ほんと便利だと思うし、使った方がいいと思いますよ!
「WPのエディタで記事を一から書き上げる」みたいな人ならば、ね。
でもわたしは、そもそもWPのエディタで文章を書くことはないんですよね。
テキスト執筆には外部のテキストエディタを使う派!
かれこれ20年近く仕事で文章を書いていますが、文章を書くのはシンプルなテキストエディタに限ると思ってます。
今使ってるのはEmEditorです。
個人的に、文章を書くとき余計な機能はいらないです。
軽くてさくさく動いてくれて、書きながらちょいちょいCtrl+Sで保存できて、文字のドラッグ&ドロップやカット&ペーストでの編集、文字列の検索と置換ぐらいができればもう十分なんです。
文章を書くときに、改行以外の「見え方」に気を取られたくないという気持ちもあります。
だから入稿方法がなんであれ、基本的にテキストエディタで書くというスタイルを今後も変えるつもりはないんですよね。
しかし、企業のオウンドメディアのお仕事などをわりと積極的に受けているので、今後もWP入稿が求められる仕事はありそう。今回の仕事も継続案件で、次月分もすでに受注しているし。
ということで、外部のテキストエディタで作成したテキストデータをグーテンベルクで投稿して入稿する方法について、試行錯誤してみた結果を書き留めておこうと思います。まだ探り探りで「これが正解!」とは全然思ってないので暫定ですけどね。
hタグつきテキストをグーテンベルクで入稿した方法
WPのクラシックエディタには、ビジュアルエディタとテキストエディタがあります。先ほども書いたとおり、わたしは基本的に外部エディタで作成したテキストデータを貼り付けて、リンクや画像挿入などをするだけなのでテキストエディタしか使っていません。
クラシックのテキストエディタはhtmlタグを解釈してくれるうえに、改行については投稿時に自動でpタグやbrタグをつけてくれるという親切設計で、インターネット老人会なわたしにはとても使いやすいんですよね。
見出しのhタグについては、書く時点で文章の構成に合わせてつけておけば反映されるのも便利。実際、WP入稿以外(WordやGoogleドキュメントなど)でも、見出しのhタグをつけてほしいというクライアントさんは多い印象です。
そんなわけで今回も、あらかじめhタグのみ付けたテキストデータを作ってありました。
クラシックブロックには旧テキストエディタ相応のモードがないよ
グーテンベルクには「クラシック」というブロックがあります。
このクラシックブロックは「ビジュアル編集」と「HTMLとして編集」を切り替えて使えるので、一見、クラシックエディタの「ビジュアル」「テキスト」と同じように使えそう……なのですが!
実は「HTMLとして編集」モードは、旧テキストエディタとは異なり文字通り「HTMLとして」編集するモード。つまり、タグをつけない限り改行なども反映されない仕様なんです。
一方、ビジュアル編集のほうは、クラシックエディタのビジュアルエディタとほぼ同じような印象です(ビジュアルエディタ使わないから細かい違いについてはわかりませんが)。
なので、hタグだけ付けた原稿を用意しておいたものの、グーテンベルクで投稿しようとすると、ビジュアル編集ならhタグが解釈されない、HTML編集なら改行が反映されないという残念な状況になりました。
結局どうやったかというと、
①クラシックブロックを追加する
②「HTMLとして編集」に切り替えて原稿全文をコピペする
③「ビジュアル編集」に切り替えて、改行を調整、画像を挿入する
④「ブロックへ変換」で全体を個別ブロックに切り分ける
という手順で入稿しました。
改行は二度手間になってしまうけど、このやり方が一番スムーズかなと。
ビジュアル編集から始めてhタグのほうを調整していくやり方もあるかなと思ったけど、改行調整よりそっちのほうが面倒そうだったので。
最後に個別ブロック化する必要があるかどうかはわかんなかったけど、わたし以外の人が後から手を加える可能性もあるかなと思ったので念のため。
WP入稿前に原稿チェックがないクライアント(入稿後に原稿もチェック)であれば、テキストエディタの時点では改行は適当にしておいて、入稿後に改行調整するのがいいかなとも思いました。
今回のクライアントさんは、そもそも先にGoogleドキュメントで原稿提出していて、チェックおよび修正後にフィックス原稿を入稿するという方式だったので二度手間になるのはしょうがなさそうかなと。
あと考えられる対処法としては、
- Classic Editorプラグインを入れさせてもらえないか交渉する
- 入稿とチェックの行程変更を交渉する
などですかね。
まあでもグーテンベルクも普通に使えるようになっておくに越したことないなと思ってます。
グーテンベルクのほうで、今後クラシックブロックにクラシックエディタのテキストエディタと同じ仕様の編集が可能になってくれるとありがたいですね。